用語集 その3

  • 引き込み

出所前(通常2~3週間前)、通常の工場の配役から離れて、出所前専用の居室(名誉寮と言われるところ)に移ること。
本人には事前に知らされることなく、引き込み当日の朝、突然言い渡されます。
他の人の引き込み状況見てると木曜日が多かったので、木曜のたびに「今週かな?」「今週かな?」って期待してたんだけど、僕の場合、全然曜日が違った(確か、月曜か火曜)のも大フェイントでした。

  • 訓練工場

入所して最初に配役される工場。
ここで、これから所内生活で必要な所作を一通り教わります。
それこそ、歩き方、止まり方、作業中・移動中等の気を付けなければいけないこと等いろいろ。
もうずっと、ほぼ怒鳴られっぱなしです。
2週間ほどなのですが、正直、この期間が一番きつかったです。
この先やってけるのかとすごく不安になりましたもん。
結局、そのあと普通の工場に配役されたら、そこまできつくなかったんだけど。

  • 信書

手紙のこと。
受け取る数は無制限ですが、月当たりの発信数は制限区分によって決まっています。
また、発信先もあらかじめ申告したところのみに制限されます。
友人等、新たな連絡先が分かった場合は、願箋出して審査を受ける必要があります。
(元受刑者とかだとよろしくないから…)
また、送受信とも手紙の内容は検査されます。

  • 面会

これも、制限区分によって回数が決まっています。
1回あたり15分。
遠方の受刑者だと許可を得て、2回分を使って30分面会とかできるらしいです。
面会できる人はこれまた予め登録しておく必要がありますが、ほぼ親族に限られます。(4親等以内だったかな?)
内縁もOKだったけど、同性パートナーがいけるのかどうかは不明です。(そもそも当時いなかったし)

  • 名誉寮

引き込み後入所することになる居室のことです。
準解放居室なので、建物外には出られないけど、部屋の出入りは自由…のはずです。
はずというのは結局、僕は入ることができず、ずっと独居だったからです。
一般の居室は1寮から5寮まであるんだけど、そのどこにあるのかすらわからないままでした。

  • 交通区

一般の受刑者エリアとは隔絶された別エリアです。
ここの受刑者と顔を合わすのは運動会や2類・3類集会の時ぐらいです。
引き込み後の名誉寮とかに行かずとも、最初から準解放居室になっているそうです。
ただ、かなり受刑者の自治に任されているため、人間関係が結構難しいとかいう話です。
元交通区だった人の話を聞いた、というほかの受刑者からのまた聞きですが。

  • 女区

加古川には、全国でも数少ない、女性受刑者専用のエリアがあります。
「じょく」と読むそうです。
これはもう、全く見たことのない謎エリアです。
ノンケ受刑者は興味津々だったけど、僕は別にぃ、だしなぁ。

  • 免業日

土曜・日曜・祝日・年末年始・お盆・それから月2回の矯正指導日など、
作業のない日を総称して免業日と言っています。
合わせると結構な日数になるので、引いた年間作業日数って200日切るんじゃないでしょうか。
作業のこと「だけ」を考えれば、なかなかぬるい職場です。(住環境全般、全然ぬるくないんだけど)

  • 矯正指導日

月2回、矯正指導日と言って、刑務作業のない日があります。
その代わり、集会があったり、感想文を書いたりします。
感想文は、1日5種類の音声番組が流れるので、それの感想を書くか、集会があるときはそれの感想を書くか、になります。
音声番組は、「15分~30分に収まりそうな名作の朗読」「プロフェッショナルな人の半生」「犯罪被害者の手記」「受刑者の手記」「職業案内」「健康生活ミニ情報」などから5つ選んで流されます。
結構時間があるので、思いっきり勉強に費やせましたが、特に勉強するつもりのない者は、苦痛な空白時間だっただろうな、と思います。