事の始まり(事故を起こしました)

2014年10月

当時働いていた会社で、夜勤明けの午前中の出来事でした。

その日の夜も夜勤だったため、少しはちゃんとした布団で仮眠を取ろうと、帰路につく途中でコトは起きました。

 

運転中、激しい振動で目が覚めました。少しばかりウトウトしてしまっていたのでしょう。

今から思えば、無理せずに、会社のソファで仮眠をとっていれば、

あるいは、「その地点」よりも手前にいくらでもある、道の駅等の無料の駐車場で休憩していれば、

等々、今になっても悔やまれることばかりです。

 

ボーっとしてしばらく状況が分からなかったのか、あるいはすぐに状況を把握できたのか…今となっては定かではありませんが、車を道から大きく逸脱させ、畑の中を走っていました。

何とかして道に上がらなくては、などど考えているところ、目の前で農作業をしている人が目に入りました。

頭の中が真っ白になりました。必死に「ブレーキ、ブレーキ」と思っているのですが、「ブレーキ、どれ?」という状態で、体が硬直して全く動きません。

ドン、という激しい衝撃のあと、実はしばらく記憶が飛んでいます。

 

どうやら車道に上がったらしい車から、必死に現場に這い戻り(まさしく這い戻っていました。よく追いかけられる夢で、足が全然言うことを聞かなくって、全然前に進めない、ってのありますよね。あれがリアルに起こった感じです)、跳ね飛ばしてしまった方の心臓マッサージをしながら、119番・110番通報しました。

被害者の方は年老いた女性でした。パッと見は、口から少し血を流している程度で大きな外傷はないのですが、意識は全くありません。

心臓のあたりを強く押しながらも、そのあまりにも柔らかい、脆い手ごたえに、絶望的な思いにとらわれたことを、その感触とともに、今でも鮮明に覚えています。

 

心臓マッサージをしつつ、家と会社に連絡しているうちに、救急車が到着し、被害者の方を搬送して行きました。

その後すぐに、パトカーが来て、生まれて初めて手錠をかけられました。

自動車運転過失傷害による現行犯逮捕でした。

 

これをきっかけに、約2年間続いた受刑生活について、経験した限りのことをまとめてみようと思います。

もちろん2度と繰り返さないという誓いと反省を常に忘れずに…